ハッピーライヴ ショウアップ! 感想
総合評価 ☆☆☆★ (3.5 /5)
シナリオ ☆☆☆ (3/5) (キャラ)
キャラ ☆☆☆☆ (4/5)
CG ☆☆☆☆ (4/5)
音楽 ☆☆☆☆☆ (5/5)
エロ ☆☆ (2/5)
favoriteの最新作。星メモ以降もゆまでの、雰囲気を一新し、キャラゲーに寄せた作品。
幻想的な雰囲気であった上記作品群に比べると、地に足ついた学生らしい学園コメディ。テキストの質もよく、みんなで一つのものを作り上げる青春物としても中々のもの。
しかし個別分岐の始まる二部以降は明確に失速しているのが難点。
シナリオ
魔法
魔法という設定が物語に組み込まれているが、これは他の作品で扱われる異能の超常の力という面は薄く。舞台でパーフォーマンスをする技術という扱われ方だった。
魔法という設定を戦闘でもなく、世界観の中心にするでもなく他のパーフォマンスと同様に扱いそれをうまく組み込んでいるのは素直にうまい。
初心者が、舞台で他の経験者と合わせても違和感が出にくいものという事で魔法は珍しいという設定もうまく生かしている。
一部
丁寧かつ、上手くキャラを生かした良シナリオといってもいい。チームとして全員が同じ目標を向いているため、無理に仲良しこよしさせている感じもなく。ショウを成功させるためにそれぞれが努力している描写もしっかり描かれている。
キャラ同士のやり取りも、下手に寒いパロディネタ等を挟まず、しっかりとキャラ立てた上で読ませている。
ソフィアの元引きこもりな感じの出し方とか上手い。
二部
明確に失速しているなと感じたのがこの二部。というのもこの二部は鉄道旅行から始まるのだが、ここから個別の分岐で恋愛感情の自覚、告白を全ヒロイン同じタイミング、同じ場所で済ますというのが問題。
加えて一部で一応ショウを成功させる目標を達成しており、明確なライバルもいないため、同じことをやっている感が強いのも問題か。
途中下車するカーチャや、個別が長く後半こそ本番のソフィアはともかく、他の三人は個別の大半をこの鉄道での描写で取られているのが問題。
正直二人目以降はかなり退屈で、下車した後もショウまでの期間での描写になるのでかなり窮屈に感じてしまう。言ってしまえば、全ヒロイン、これからの自分の道をどうするかが物語の中心になっているのも原因。
ソフィア√
おそらくは、この作品でやりたかったことが、この√。
主人公の魔法付き合い方、ソフィアのこれから等。今までは環境などに恵まれて、それなりに上手くやれていた魔法だが、いざ本気で取り組もうとすると壁にぶつかる。恋人の魔法への感情を文字通りに共感してしまった事で生まれたすれ違い等、才能がある、魔法の能力がある等の設定に甘えず、取り組む上での苦労や苦しみを精神的にソフィアに容赦なく課している。だからこそ、それを乗り越えた成長や出した結果に説得力をもたせている良い√。
キャラ
言ったとおりにメンバはみんなキャラ立ちしており、魅力的に描けている。個人的なお気に入りはクラリス。めんどくさいけどちょろい感じ好き。非常に好き
CG
幼気なキャラは減ったが、特に違和感なく良質。少し淡い感じの塗りも作品の雰囲気にあっている
音楽
相変わらず良質。ボーカルも、BGMも強い
総評
既存に甘えず、新しいものを作るという試み込みで評価できる作品。まだまだ粗い部分もあるものの、この方向性じゃ話にならないという事もなく十分楽しめ、次回を楽しみにできる作品。