なつくもゆるる 感想

総合評価 　 ☆☆☆☆☆                   (4/5)

シナリオ 　 ☆☆☆　　　　            (3/5) (シナリオ)

キャラ     　 ☆☆☆☆☆       　        (5/5）
CG　　  　  ☆☆☆☆                       (4/5)
音楽             ☆☆☆☆　　               (3/5)
エロ             ☆☆☆　　                   (3/5)

　すみっこの四季シリーズの2作目、シリーズものとして、ループとSF物という部分は変えず、ヒロインは全員ロリとパーツだけ切り取ると中々尖った作品。

　基本的にはこってこてのSF物＋狂気すら感じるシモネタのオンパレード。前作より大分SFものによっていた。

シナリオ

　序盤の日常から非日常へと変わる、所謂掴みの部分が上手い。隔離されている状態、夏休みの学校で生徒だけのちょっとした非日常から、人が消え、何かが起き始めるという先が気になる出し方は上手い。

　また、戦闘描写での体の動きの描写や恐怖への心理描写など細かい部分のテキストは流石の一言。

　個別は完全固定で途中下車方式。前作同様少しづつ謎が明らかになっていくパターン。重力→自殺病→マンイータと少しづつ開いていく。

　反面相変わらず、終盤に詰め込みすぎて結の部分でいきなり情報量が増える。恋愛描写もかなり弱めで付き合う過程がかなり適当、ヒロインの反応もライター特有のハイテンションシモネタ乱打製造機になるのもあり、ここらの評価は低め

キャラクター

狭霧紫穂

　ゴスロリ銀髪ロリ。メインかつ中心のヒロインではあるが、キャラとしての扱いは中々怪しいところ。立ち位置の関係上ルートによって扱いやキャラが大きく変わることに加え、彼女の本質的な魅力は共通や、他の個別とは全く別の部分であるため、感情の置き場所に困りがち。

　彼女の魅力は、世界が終わりえお望みながら、それでも人類が助ける道を必死に探す忠犬のような健気さ。なのだが、その彼女の働きがあまりにも超常的すぎる上、触れ合ってきた期間が長い紫穂にはその自覚がないのもあって、他人事感が強くなりがちなのが悲しいところ。

　ある意味誰よりも頑張ったのに不憫なのは彼女らしいともいえるかもしれない

当麻姫佳

　義妹。よくできたエロゲらしい義妹。こじらせまくったブラコン具合やほかヒロインへの嫉妬等一番ストレートにかわいいキャラ。

　√としては導入でありながらお互いに共依存する愛を見せつけてくれるやべえ妹でもある。

鹿島ユウリ

　クールなロリ…なのは、最初だけ、彼女の√の段階だともはや、クールのクの字もないエッチなロリ娘。ここまでキャラ崩す必要があったかは微妙。可愛んだけど、愉快なキャラになり過ぎ感はある。

　ルートとしても、終盤に詰め込みすぎのパターンで、いきなり情報量がどっと増える。

水名りね

　ロリ巨乳の賑やかし要因かと思いきや…。バカそうな見た目だが、頭の回転が早く知識もある。マンイーターという存在にたどり着くルートということもあり、彼女自身の暗い部分もしっかり描写しており、シンプルに読み物として面白かったのは彼女のルートかもしれない。

　反面相変わらず、付き合う導入が非常に雑でノルマ的かつご都合主義的。

CG

前作と違い、単独絵師になったかつ、ヒロイン全員ロリにあった可愛らしいイラストで大変良質。反面戦闘シーン等のスチルが極端に少なく割り振りはやや不満が残る構成。

総評

　個人的には良作ラインに引っかかるかなという作品。前作と比較するとキャラクターとシナリオの結びつきが弱く感じたところ。反面SF物というか物理学的な部分は濃い目にやっているので好きな人には刺さりそうな作品