アインシュタインより愛を込めて 感想
総合評価 ☆☆☆☆ (4/5)
シナリオ ☆☆☆ (3/5)(シナリオ)
キャラ ☆☆☆☆ (4/5)
CG ☆☆☆☆☆ (5/5)
音楽 ☆☆☆☆☆ (3/5)
エロ ☆☆ (2/5)
あんまりにも描写不足で、解釈を読み手に委ねすぎている作品。CG、音楽、テキストの質は良いのだが、中身が足りてなさすぎるので単純に読み物としては微妙。
やりたいことはわかるし、テーマ的な部分はきちんと触れているのだが他の部分をおざなりにしすぎている作品。
シナリオ
個別√
描写不足。兎にも角にもこれに尽きる。ある程度想像の余地や、解釈をプレイヤー側に委ねるのは分かるのだが、それにしてもあんまりにも淡白すぎる。
また、全体的に√が短いのもあり、転結の部分があまりにも急ピッチで特に結の部分は、あまりにも雑。切ないとかそういう感情抱く前に終わってしまう。
ヒロインが消えたり、主人公が消えたりといった展開もあるが、交流部分の描写が薄い為、そこまで感情が入らない。
「街に明かりを灯せ」と作中でキャラに人との交流を大事にしろと言わせるなら、ここはしっかりすべきなんじゃないかなあ。
正直恋愛ゲームとして見れば、その個別もひどいもんだと思う。
グランド(ロミ)
まあとは言っても、この手の作品にとっては、個別ルートは所詮グランドの仕込みの為のモノでその伏線張りの切り捨てというならばそれはあり。
ただここでも問題の描写不足はダイレクトに響く。何より、ラストの展開はその極地で、黒幕とラスボスとの戦い、絶体絶命のピンチ、そこで立ち上がる親父!
でED入り、平和になった後に続き、ヒロインは失踪。
打ち切り漫画ですが……。
有村ロミ
彼女の目的は、主人公が助けてくれたように、自分も彼を助ける事。これは一貫してぶれておらず、他のヒロインのルートで、どんな状況になっても必ず主人公を助けてくれる。
彼女にとっての人生は彼によって構成されているといっても過言ではない。まともな愛情なんて与えられなかった彼女にとって彼の助けとその後の彼の状態はそれほどまでのものだった。
GRANDでの鯨の中の主人公の会話は彼女自身の事。何もかもどうでもいい。世界も、自分も何もかも。でもそんな中で主人公だけは彼女にとってかけがえのないものになった。
彼が消えてしまうという結末を覆せないなら、一緒に消えたい。彼が居ないなら、彼女にとってかけがえないのないものなんて存在しない。
彼女の愛は、恋心というよりは、母性愛とかそっちにいってる印象を受けた。そもそも作中で彼女は、主人公の告白について明確な返答をしていない。最後に主人公が独白するようにロミは主人公の事が好きだったのかそれも分からない。
それでも、彼女が主人公を大切に思い、唯一の生きる意味として居たほど深く愛していたのは本当のなのだと思う。
ただそれは、恋であるかと言われれば、分からない、ロミ自身にも分かっていないのかも知れない。彼女が唯一未来として語った母親になりたいという欲求から彼を息子のように見ていたのかも知れない。
彼女の幸せは、主人公が無事に健やかに過ごすことで、彼女が彼とともに幸せになることではないというのが最後に彼女が遠くにいる理由なのかなと。
ぶっちゃけ自分の想像というか妄想も入ってるので、こういう捉え方もあるんじゃないかってぐらいだけど。
CG
美麗、可愛いし、塗もキレイだし素直にいいと思う。エロも内容の薄さはともかくCGはいいし
音楽
ここも素直にいい。OPは2種ともお気にいり
総評
良作だというには苦い顔するしかない作品。やりたいこと、書きたいことは出来ているのだと思うけど、あんまりにもプレイヤー側に媚びてなさすぎて、娯楽物としては微妙と評されても仕方ない。
個人的には好きな部分もあるが、もどかしさを拭いきれない作品。