Flyable Heart 感想
総合評価 ☆☆☆☆★ (4.5/5)
シナリオ ☆☆☆☆☆ (5/5) (キャラ)
キャラ ☆☆☆☆☆ (5/5)
CG ☆☆☆☆☆ (5/5)
音楽 ☆☆☆☆ (4/5)
エロ ☆☆ (2/5)
シナリオ比重高めのキャラゲー。重い展開も多いが無駄シリアスにならず、キャラの魅力を引き立ててる。また、読み物としても伏線の張り方、回収に無駄がなく、非常に面白い。ただ粗い部分もあり、キャラ萌えだけでいいのにという人には向かない作品。
シナリオ
バランスの良さ
評価点として挙げられるのはまずここかなと。明るく軽い雰囲気の学園物の序盤。ヒロインとの交流で糖分補給する中盤。物語的な面白さを楽しめる終盤。どれが、無駄になっているわけでもなく全てのバランスが良いのがこの作品の魅力の1つかなと。
読み物としては、伏線についてわかりやすくまとめてくれるプロフィール画面があるので、整理しやすく物語についていきやすいのもいい所。こういった部分も含めて、全体的に丁寧な作品だという印象を受けた。
サブキャラが魅力的
√次第では物語の展開の重要な部分を担う、会長や主人公父を始め、魅力的なキャラが多い。例えば理事長であれば、くるり√では、大人として、保護者としてしっかりとその役割を果たしているし、副会長は冷静に意見をくれ、頼れる存在として支えてくれる。友人のマックスは言わずもがな、気配り上手だし、何かと助けてくれるし頼りになる。
この場所で、この時間で、見つけた。普通で、なにげなくて、あたりまえの 特別なもの。というFHにおけるテーマとも言うべきこの言葉に凄く寄り添ったキャラ達。
世界線A
主人公側の世界
学園への編入→理事長をひったくりから助けた事がきっかけ
主人公の父→存命、妻とは死別。桜子√では死亡。
茉百合→B世界と違い桜子にはそこまで入れ込んでいない。(√中桜子が病死しても落ち込んではいたが、それだけ)
桜子→入院中。桜子√のみ、殉職した主人公の父の心臓を移植し生存。他の場合この世界線ではおそらく主人公と知り合う事なく、そのまま病死。
結衣→そもそも存在しないので、A世界に戻ると居なかったものとされる。
世界線B
結衣側の世界
学園への編入→謎の転校生扱い、B世界に定着すると、世界側からの修正で諸々の事情がなかった事になる。
主人公父→故人。茉百合護衛中に死亡。妻とは離婚。
茉百合→主人公父の死亡でかなり追い詰められている。また桜子への思いやりの原点は、言うまでもなく心臓関係。
桜子→主人公父からの心臓移植により、学園に通えるぐらいには回復している。
結衣→B世界線の主人公、主人公の遺伝子の変異が起きていない為女性。またその都合上健忘現象耐性はない。
キャラ
結衣
平行世界の主人公。双子はミスリードで、実質同一存在。髪色、目の色、趣向、性格、主人公と同じ誕生日という設定から双子だと思わせといてのこれ。同一存在なので、主人公が他のヒロインを選ぶと、元の世界に帰って自動的に忘れられる。
ヒロインとしてはストレートに可愛いタイプ、美味しそうにいっぱい食べる子可愛いよね。主人公と息ピッタリなのも見てて微笑ましいし。
結衣√
主人公が唯一世界線Bに留まるシナリオ。中盤までは、2人の仲の良いカップルっぷりにニヤニヤする√だが、双子疑惑に始まり、そもそも主人公の存在がおかしいという展開に。
近親として悩む展開(実際は違うけど)、主人公の存在についての問題等、問題に対して二人で立ち向かってる様子は良かった。
ただ個別としての評価はやや低め、すずの√の前座感強いのと、途中までが天音√と同じなのが難点か。ヒロインとして可愛いんだけどね
天音
色々と癖が強すぎる登場人物の中では、正統派ツンなとか。基本的には、真面目で有能だが、事あるごとに兄に振り回される苦労人。
√は彼女というよりは、兄妹の話といった所。というか会長の豹変ぷりやらに持っていかれて彼女自身は影薄くなってた感はある。ただお話としては、兄妹感の溝の話からグランド√の伏線まで丁寧にやれてたんじゃないかなと。
黒髪ロングでキレイで優しい美人な先輩……と思ってた時期が私にもありました。
弱ったヒロインを介抱し、いい雰囲気になるのかなと思った瞬間
この変わり様、やっててビクッてなるぐらいびっくりした。声優さんの演技も相まって、二面性の切り替えがゾクゾクくる。
根は善人だし悪人ではないが、第一印象をいい意味で裏切られたキャラ。主人公に対する悪態も、自分を守る為の突き放しとそれでもグイグイ来る主人公への照れ隠しが入り混じっている感じ。
実際桜子√に入った時の様子を見る限り、主人公ガッツリ嫌悪している様には見えない。
一歩間違えば大火傷しそうなキャラ付けだが、二面性からの関係悪化からのデレ、弱さが噛み合って非常に魅力的なキャラに仕上がっていると思う。
なんか罵られてゾクゾクする感じに既視感あると思ったら中の人リトバスの佳奈多の人なのね。
桜子
正統派系ヒロイン。前半に急ぎ過ぎなぐらい恋人イベントを詰め込み、後半はA世界での桜子との交流。ヒロイン自体は魅力的だけど後半のシナリオは駆け足過ぎてなんだかなあ。父関係で感動させたかったんだろうけど、なんか急に死んでいい文章の遺書でという展開なので泣けるほど感情ついてこなかったというか。
他ルート終わって改めて考えると、桜子か主人公父どちらか二者択一状態になってしまうのも後味悪い。
無口で主人公を毛嫌いしているヒロイン。分かってた、分かってたんだがこの手のキャラのデレは強いと……。
想像以上でした。なんだこの可愛い生き物は。
もちろんストレートにグイグイ来る仕草や言動も可愛いのだけど、一番は展示辺りのシナリオ中の彼女。主人公が話しかけたり、近くに居るだけでデレデレになるのはずる過ぎるだろ、あんなん可愛いに決まってるじゃん。
√はこの通りイチャラブ度合い高めで全体でも屈指の糖分度。
すずの
グランドヒロイン。幽霊?それとも翼あるし天使、宇宙人?いえ未来人です。引っ込み思案のドジっ子さん。弱々しくて保護欲そそられる性格と記憶を取り戻した後の、自分のやるべき事を思い出した後のきっちりした様子が魅力的だった。何処と無く儚さを感じる様子もあり、そこも魅力的。
√としては伏線回収で美味しい所を持っていきながら、ヒロインとのイチャラブも十分なので質はいい。
けどまあ、強烈なあのお方やら、糖分極振りのあの子と比べるとややパンチ不足なのも事実。ボクは好きですけどね。
CG
いとうのいぢがメインだけあって、高水準。塗りも統一されて、他絵師のキャラも違和感なく溶け込んでるし、かなり良い。
SDも可愛らしいし、不満点はない。
音楽
BGMもそうだが、OPが何より素晴らしい。単純に曲としてもだが、このゲームの曲として噛み合っている。ゲーム終わった後にこの曲を聞くと何倍も魅力的になる素晴らしさ。
エロ
エロくは感じなかったかなあと。特に数があるわけでもないし、そっち目的としては微妙。
総評
シナリオ寄りのキャラゲー。やや粗さは残るが全体的に魅力的な作品。学園物というよりはSF物ちっくな一面もあるが、それがハマっている。個人的には、オススメのキャラゲーはと言われたら間違いなく推す作品。