エロゲ好きの自由帳

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家族計画 感想

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総合評価  ☆☆☆☆☆    (5/5)
シナリオ  ☆☆☆☆☆    (5/5)(シナリオ)
キャラ     ☆☆☆☆☆  (5/5)
CG        ☆☆☆☆        (4/5)
音楽           ☆☆☆☆☆     (5/5)
エロ           ☆☆☆            (3/5)

 

 名作中の名作。出てくる人物達は誰も彼もが、一癖も二癖もある。タイトル様な他人同士が温かな家族になるという帰結ではない。どうやったって苦しい社会の中で弱者になってしまった人物達の共感と信頼ぐらいの感覚。

 

 

 

家族計画

 間違ってはいけないのは、このゲームは別に家族愛がテーマではないという事だろうか。EDで家族計画の面子が再び集まるが、EDで留まっている。このゲームが家族愛をテーマにしているのであれば、家族の再集結は一番美味しい見せ場になるところだが、ここは描かれない。だって家族計画は、家族に為るための計画ではないんだから、そこに家族愛なんてものは生まれようがない。

 というより家族になるという言葉は一貫して登場人物達を苦しめ続けてきた言葉だとすら思う。お互いの歯車が噛み合わず問題が起こり、それでもなんとか形を維持すればどうしようもない問題で全員が離れ離れになる。

 

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 家族計画は、家族の様に信頼しあって家庭を作る物ではない。これは最初に寛が語っていた通り、偽造家族で自分たちの足場を固め、お互いの再起を図る為の物だ。実際、家族という枠組みに苦しむ様な描写も多く、何となく馴染んでる風でも些細な事でボロが出る場面も多い。ただ、歪ながらも信頼や繋がりが生まれていたのは間違いない。

 家族愛を育むというより、家族という形を通して信頼関係や絆が生まれたと言った方が自分の中ではスッキリするなあと。

 

キャラ

高屋敷 真純

 母親役。優柔不断で他者依存が強い人。見れば見るほどイライラしてくる性格ではある。が、人としての優しさという点では本物で、家族計画でも正しく母親としての役割を果たしており、居るだけ安心感が湧く様な人。いくら他所依存が強くとも、あげるの一言で母親が残してくれたお金を託せるような人がいったいどのぐらいいるのか……。この彼女が司に渡す300万は√次第では文字通り誰かの人生を救っている。

 思考放棄とも言える他者依存の強さには、主人公同様嫌悪感を覚えたが、その中にある純真さや優しさは尊く、良さと悪さのバランスが良い印象。本当に好きな人は彼女の欠点すら愛おしく見えるんじゃないかな。

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 高屋敷 青葉

 問題児の長女。誰よりも高潔で誰よりも身勝手で誰よりも弱い長女様。とにかく自分第一で家族計画の中でも、家の持ち主という事で何かと場に緊張感をもたらす存在。自分の中の絶対の存在があり、それ以外の物に対しては心を許さない。ただこれは物のように扱われてきた自分の人生への反発。自己中心的なのもこういった経験から来てる。

 自分を保つ為に、自分の今までの人生で最もマシだった祖父との思い出を美化しそれを拠り所にしていた。 良くも悪くも極端な性格で1か0しかないような女性。デレてからの重く真っ直ぐな感じからも伺える。

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青葉と茉莉

 青葉を語るには茉莉との関係が必要不可欠であるのではないかと思う。作中において、青葉は茉莉を嫌悪し続けて拒絶していた。何だって2人の境遇はあんまりに似ている。青葉は親の過干渉から物扱いに、茉莉は親の無関心からいらん子に、どちらも親から過度な扱いを受け歪んでいる。青葉は自分として生きるために周りを振り回し、茉莉は生きていくために他者に媚びる。

 青葉が、祖父との思い出を美化していた事からも分かる通り、彼女も家族からの愛情をどうしようもなく欲していた。似ているからこそ、怖くイラつく。自分にとってそれは、切り捨てた方法で生きている自分にとって大事なのは屋敷での祖父との思い出だけなのに、茉莉は自分の心の中に入ってこようとする。言ってしまえば、青葉にとっての茉莉は祖父との思い出と同じぐらいのものになってしまうという予感があったのではないかと。親からまともな愛され方をされなかった者同士、近いからこそ衝突することも多かったのかなと。

 

高屋敷 準

 次女役。過干渉だった青葉、無関心だった茉莉と違い明確に親に虐待されて育った女性。まともな食事が食べられなくなるほどのトラウマに加え、自分の地獄のような環境から救ってくれた養護施設を助ける為に非合法な手段でお金を稼いでいた事等、常に何かに追い詰められている様なキャラ。彼女がなりふりかまわずお金を稼いでる様子は共通で見られるが、麻薬に売春とおよそ真っ当な手段ではない。ただ彼女の年齢を考えると、養護施設は立て直す程の金額を稼ぐには、非合法な手段に手を染めるしかなかったのだろう。表には出さなくとも、彼女にとっての養護施設は家でありそのためには手段を選んでいられなかった。

 √において彼女の出番は殆どないが、これは準が今まで背負っていた物の大きさをフラットな状態で見るためには必要だった展開なのかなと。だからこそ最後の家族からのオムライスの下りには心を揺さぶられた。

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 高屋敷 春花

 不法入国チャイナ娘三女、実態は高屋敷家のオアシス。とにかく優しく、とにかく明るい、司はもちろんの事付き合いベタの準にすら好感を持たれるぐらいなのだからそりゃ。明るく素直で行動派だが決して馬鹿ではなく、むしろ賢い。自分の境遇もかなり劣悪であるが、それを助けてくれた人間に対して擦れることなく感謝し、行動できるからこそ、一癖も二癖もある高屋敷の面子にも好かれていたのだろう。幼さを感じさせるシーンも多いが、母親関係をはじめ冷静というか達観したような様子が見られる場面も多い。

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高屋敷 茉莉

 末っ子ロリータさん。家族計画に対して誰より精力的だったのは彼女だった。彼女は家族計画の面子において唯一、社会的に1人で生きることが出来ない子供である。他の面子はきっかけさえあれば自分で生きていく環境を作れる大人であるが、茉莉だけはそうもいかない。

親の庇護があって普通の生活が出来る子供である彼女にとって家族計画は、チャンスだった。最低限の生活という意味では、養父母の元に居れば保証されるかもしれないが、心はそうもいかない。

子供どころか兄の玩具程度の扱いで、まともなものは何1つとして与えられない。特に彼女が欲していた愛情と居場所はまともに得られるものではなかった。

そんな彼女にとって、家族計画は歪んだ形であっても家族としての居場所と愛情を得られるチャンスだった。彼女は「いらん子」になるのを避けるため、頑張り続ける。

普段は、聞き分けの良い少女といった性格だが、家族計画になると異常なこだわりと押しの強さを見せる。従順なのは愛してほしいが故、計画へのこだわりは自分の居場所を守るため。二面性といっていいほど変化のある茉莉だが、心は一貫している。居場所がほしい愛情が欲しい、ただそれだけ。

こういった姿勢は、そういったものを不要なものと切り捨ててきた、司にとっては眩しくも羨ましく見えていた。

茉莉についてはかなりお気に入りなので個別で記事書けたらなあ程度には思ってます。

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CG

 年代を感じる以外は普通に良いと思う。立ち絵は偶にん?と感じる部分はあるが、CGはそんなことはない。茉莉√の青葉とか準や春花のラストとか、二人暮らしの時の茉莉のCGとかお気に入りは結構多め。

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エロ

 客観的に見ると、微妙というかそういう用途のゲームじゃないという感想。

 ただ個人的な好みだと、茉莉は凄くよかった。行為の前のしぐさと会話の可愛さ、行為が中々上手くいかず、彼女の小柄な体型と合わせて高まる背徳感と少女という年代のエロさが表現されてたと思う。テキストが良すぎた。

 

 

総評

 この年代あるあるのやけに多い選択肢からの分岐のダルさを除けば、ほぼ満点だと思うぐらいの完成度。王道からやや外れてる感じはあるが、万人向けの作品で刺さる人には更に面白いという良作。