家族計画 そしてまた家族計画を 感想
総合評価 ☆☆☆☆☆ (5/5)
シナリオ ☆☆☆☆☆ (5/5)(シナリオ)
キャラ ☆☆☆☆☆ (5/5)
CG ☆☆☆☆ (4/5)
音楽 ☆☆☆☆ (4/5)
エロ ☆☆☆☆ (4/5)
家族計画のFDというか、完結編。FDとして見ると茉莉FDだが、こちらは本筋的にはほぼオマケ、茉莉萌え追加パッチ的なヤツ。ボリュームはかなり少ない(一時間ぐらいで終わる)が、質は良い。 終盤辺りは涙腺本気で壊しに来てる。
シナリオ
シナリオ構成
新キャラを出して時系列を予測しにくくする。
ちょくちょく若い茉莉を登場させる。(死期を悟った司のお迎えか、妄想かはたま た)
あかりの司の呼び方を司呼びにさせることで関係をあやふやにする。
ここから辺で司の状態を分からなくさせるのは上手いと思った。近くには、家族計画の面子はおらず、茉莉でさえちょくちょく顔覗かせるのも一緒に居る様子はない。何かあるのは分かるけど、それが何なのかは分からない。
メタな話になるが、美少女ゲームでヒロインの外見年齢が変わらないのはままあることなのも、読めない要因かなと。感のいい人だと気づきそうではあるけど。
あえてみんなが居ない晩年を描く
そしてまた家族計画をのシナリオは言ってしまえば、山場を超えた後のロスタイムを描いているといった印象を受けた。やろうと思えば、茉莉ENDの後から家族計画の集まりを描く事だって出来た。でもここでは、あえてみんなが先に逝った晩年を描いた。
ここでは、司がどうやって生きて、どうやって死んでいくかそういった事を持ってきていた。前作では嫌というほど生きていく辛さや苦しさを描き、その中で楽しさや幸せは掴んでいた。なら、その人生の終わり、死において彼はどう思ったかという事を描くのが続編というか完結としては正しいのではないかと。
司が思うように、まずまずの人生だったなあと思えるぐらいの人生を送りたいものだ。
沢村 あかり
あかりの役割、あかりと一日だけ家族計画をしたという意味は一体なんだったのか。
あかり自体は、過去の司との対比親の愛情を受けていたが、それを理解できず家族そのものを拒絶していた過去の司と、ぱっと見擦れた性格で家族を疎ましく思っている様で、理解し愛していたあかり。
親に頼れない、頼るべき親は子を嫌悪しているわけでも、虐待しているわけでもないが自分の事に手一杯で当たり前の子供の重さすら受け止めきれない。そうなったらもう子供は自立するしかない。子供であろうと親の支えなしで、親が受け止めたり、一緒に解決するべき苦労や問題に対して自分で取り組んでいくしかない。
親が子を手元から離すという事はそういう事だ。そんな子が成長し自分たちの事を支えてくれる様になったら、苦しいどころじゃすまないだろう。自分たちから手放して、押し付けた物の重さをそうやって実感させ続けられるんだから。
一日だけの家族計画は、併走は出来なくても、これからも生きていくことになるあかりにとって人とつながって生きていく基盤を作るものだったではないかと。
家族計画
ここで改めて家族計画について。
家族計画は家族になるお話ではないという事は、本編の方でも語った。
今回のあかりで、尚の事それは確定的になったと思う。家族計画は家族に必要とすることの一部を他人同士で補う事なんだ。
支えてくれる人がいないならその代わりを、助けてくれる人が居ないならその代わりを足りない物を他人同士で補いあって辛く苦しい人生を生きていく為の処世術。
家族というにはあんまりに歪すぎる繋がりから、少しずつ絆を育み気がつけばそれは、自分を看取ってもらったり、死んでも一緒に居るような関係になっていた。
家族と言うほど重くなく、他人の集まりというには軽すぎる変な集団確かに、なんと名前をつけるべきか。
CG
本編の時と変わらずいい感じ。全体のボリュームが少ないので枚数も多くないが質は良いと思う。前作の出番の少なかったサブキャラ面子は立ち絵一新されている。
茉莉はやっぱり美少女だなあ可愛い。
エロ
10割茉莉の3P1個。相変わらず茉莉のエロは気合入ってるテキストでえっち。
総評
短いながらに、完結編としての要素を詰め込んだ良作。FDとしてはほとんど前作のキャラが出てこないので、茉莉以外目当てにやると期待はずれ感はあるかも。
ただそれでもラストシーンは家族計画をやった人なら感じ入る物があると思う。