幻創のイデア ~Oratorio Phantasm Historia~ 感想
総合評価 ☆☆☆☆ (4/5)
シナリオ ☆☆☆☆ (4/5)(シナリオ)
キャラ ☆☆☆☆☆ (5/5)
CG ☆☆☆☆☆ (5/5)
音楽 ☆☆☆☆☆ (5/5)
エロ ☆☆ (2/5)
エロゲでは珍しいW主人公を採用した作品。主人公が声付きの部分もあり、主人公に自己投影して楽しむというより純粋に読み物として楽しむ作品。前作で不満に感じた部分も大体解決されており面白い。
評価点
W主人公
よくあるなんちゃってW主人公とかではなく、2人が主人公でそれぞれが別の主人公として機能している。王道だが、異常性を持つ優真と人外でズレている赫。2人の視点からそれぞれの物語を描き、少しずつ絡み合いながら最後で繋がる。W主人公のおかげでそれぞれの目的や考えに感情移入出来、物語がより面白くなっている。
しかしながらぱっと見正統派っぽい優真のがアク強いのは色々びっくり。
シナリオ
面白さのタイプとしてはシナリオにメッセージ性があるというよりは展開や勢いで読ませるタイプ。
選択肢を取っ払い一本道化したことでシナリオが一貫しており、非常に読みやすくなっている。終盤は詰め込み過ぎて描写不足感があるが、全体的には問題ない。
殺す/殺さないのやり取りも優真のキャラ付けや、赫の後悔につながっており冷める要素にはなっていない。ヒロイン格差も露骨だがそれを活かした展開になっているのも魅力的。
ヒロイン
菜々実 なる
優真sideのメインヒロイン。人間大好きの異界人。中二病以外は正統派ヒロインだが、中盤で狂い終盤で元に戻る。優真と共に人間臭いが2人が一度人間性が堕ちていくのが皮肉的。これはひまわりを通して人間臭くなっていく赫sideのメイン2人とは対照的。中盤で狂う展開が描写不足で理解は出来るが納得できないという印象。直前まで超最強様がこれでもかとヒロイン力を見せているのもあって、霞んでいる印象。
後チョロイン。
紫護 リノン
多重人格、闇の力、オッドアイに人格ごとに瞳の色が変わると厨二要素盛りだくさんの超最強。自信と実績に裏付けされた自分中心の性格からの一途なデレ。あくまで本編ではメインではなく脇役だと理解して役割に徹する強さとかなり魅力的なキャラ。基本的に自己がブレず行動が一貫しているので見ていて気持ちがいい。終盤は脇役に徹する事でむしろメイン以上の魅力を発揮したといってもいい。
後エピローグのデレがヤバい。可愛いホントかわいい。
剣咲ノエル
赫sideのメインヒロイン。ご主人さまloveのご主人さま至上主義。最初から最後までブレない。過ごした年月が膨大な分一途さや愛情も重厚。日常シーンの笑いからデレ、戦闘、エロまでこなす女。声優の演技も合って楽しいキャラだった。赫以外には基本塩対応だが、なんやかんや言いつつもひまわりを大事にしてたり後半になるにつれいい意味で人間臭さが出てた印象。
主人公の相棒感は誰よりも強く、進めれば進める程愛着が強くなるいいキャラ。
ボクは痴女服より制服姿のが可愛いと思います。
九條美月
赫sideのヒロイン。中盤は彼女がメインなのでここらへんはメインヒロイン級と言っても過言ではない。最初が取っ付きにくい分デレると強いのはお約束。他のヒロインがアクが強いのもあって割と普通。(まあ他が人外なのもあるけど)朴念仁通り越して色々ズレてる赫にデレたりツンツンしたり。中盤超えればノエルの言う通りの攻略完了後のツンデレヒロイン状態。能力かっこいいけど性格上ほとんど使わないのは残念。
デレ後やED後見る限りいじられキャラ説ある。
CG
戦闘から日常までハイクオリティ、キャラデザも良いので文句なしの高水準。
音楽
ここは前作通りの高水準。戦闘から日常、歌まで。
問題点
シナリオ
掘り下げが足りない部分がちらほらと。なるの狂気は狂うまでの過程が結構雑だったり、葵やココロといった重要そうな人物達はほぼ掘り下げないしで色々とうーんとなるとこ。
優真は最終盤赫と比較すると優真の行動が感情移入しにくいのもキツかった。ここらへんは昔の妹とのやり取りの描写がないのが1個の原因かなと。ここらへんは詰め込み過ぎな展開もあってもう少し丁寧にやってほしかったとこ。
エロ
数が少ない、特に本番シーンは2個だけ。CGは悪くないけど実用性は微妙。主人公2人がキャラ立ちしているのが逆にこの用途だと邪魔なのも原因かも。
総評
W主人公、厨二バトル物としては良作。キャラも魅力的で相応に楽しめる出来といった印象。ただ、シナリオ的には色々気になる部分はあるし、明確にヒロイン格差があるため人を選ぶ作品といった点はある。